ピーターパン
歳を取るのが怖い。
自分のこと、家族のこと、友達のこと、仕事のこと、将来のこと、
いろいろと余計なことを考えるようになってしまった。
昔はそんなことはなかったのに。
振り返ってみると、高校生の頃の私が1番好きだったなと思う。
毎日決まった時間に起きて、学校に行って、授業を受けて、友達とくだらないことで盛り上がって、部活に励んで、家では母の料理を食べ、風呂に入って寝る。
何処にも疑問なんてなかったし、この生活がずっと続くのだとさえ錯覚していた。。
あの頃の感受性も好きだった。
当時は絵を描くことが好きで、自分の思うままにキャンバスを塗りつぶしていた。
今、同じように絵を描いても、あの頃のようには出来ない。戻れないな。
大学で家を離れ、一人暮らしを始めた。
半年に一回、実家に帰るたびに両親が老いていくのが目に見えて分かった。怖かった。
白髪が増え、腰を悪くし、体力も落ちた。
二人とも還暦を迎えているので、余計に心配になる。
家を出る前、同じ身長だった母。
今では私の方が高くなった。
「身長伸びたんだね〜」と母は言うけど。
私の身長は高校生で止まったまま。
これから先、1年後、5年後、10年後、一体どうなっているんだろうな。
昔はそんなことちっとも気にしてなかった。
1年後なんて、遠い未来だと思ってた。
本当に怖い。未来なんて、あまり来て欲しくない。願わくば過去に戻りたい。
私は大人になれない…。